夏の日だった。私は五歳。
ちょうどその日は、母と弟が家にいなく、
泥酔状態の父と私の二人っきりとなった。
何故だかわからないが
もの凄く嫌な空気が部屋中広がり
逃げ出そうとしたが
すぐに捕まった。
「立て!!!!」
白い半袖
半パンを着た
私を柱の所に立たせて
父は品定めをするかのように、
足先から頭まで舐めまわすようなギラギラとした目つきで私を見ていた。
怖くなって逃げ出そうととするが、
すぐに捕まり口を塞がれた。
「シー、静かにしろ!!!!」
人差し指を口にあてて、
次々へと服をはぎ取られいく
意味が分からずに全裸にされた私は、
父に押し倒され上に跨がれ
手足も縛られ、
口にはタオルを押し込まれ声が出せなくなり、
身動きが取れない。
「黙らないと殺す!!!!お前は黙って
俺の言うことを聞いていればいい!!!!
今から気持ちが良いことをするから、
無駄な抵抗はするな!!!!」
怖くて怖くて涙が止まらない。
父の下半身から
固くなった物が私の中にズズズっと入り込む
全身の身体が張り裂けそうで、
息をすることも出来ない。
泣き叫んでも誰にも声は届かず、
頭の中が真っ白になっていく。
気がつくと
酒とタバコと生臭さの中で
旋律な痛みと共に私の下半身から血が流れ落ちる。
拭い去れない感触が身体に刻まれていた
これが私の初体験。
それからというのも、
母の留守中や買い物など、
家に誰もいない時を見計らって
何度も何度も何度も何度も犯され続け
逆らおうとすれば、
容赦なく殴られ、蹴られ、壁に投げつけられる。
次第に抵抗をしなくなった私を
我欲のままに身体を貪りつくす父の姿は
悪魔そのものだった。
娘としての私ではなく、
女としての私に興味を示す父は
吐き気がするほど気持ちが悪かった。
それよりも
顔も性格も父そっくりな私
私の存在自体
気持ち悪くて
汚れていて許せない
そのことが何よりも耐え難く
私は自分自身の身も心もどす黒く穢れてゆく
黒闇に飲み込まれていく感覚に陥る
同じ年の子供達とは住む世界が違っていて
感情の出し方や素直に笑うことさえできなくなり
心に蓋をし
ペルソナの仮面をつけるようになっていた。
あの頃、唯一安らげる場所は、
父方である祖父母の家が安息の地であった。
三食のご飯も食べられて、
服も着ることを許されて、
安心して眠れる。
ずっとずっと祖父母の家に居たかった。
父が迎えに来ないことを必死になって願い、
誰にも届かぬ
心の中で何度も何度も何度も何度も叫び続けた。
「来るな!!来るな!!来るな!!来るな!!来るな!!来る!!来るな!!!!」
それでも、父は迎えに来た。
無駄な抵抗は虚しく、家に帰るのを余儀なくされる。
助けを求めたこともあったが、
母は自分の事で精一杯。
祖母言ったら必ず守ってくれるはずだと、
思い切って胸の内を打ち明けことがあった
返ってきた返答は
幼いの私にとって残酷だった現実だった。
「心が我慢すればいいだけの話でしょう?他の人に話をしたら、
お父さんは大変な目に合ってしまうし、
おばあだって悲しい。
心はお父さんやおばあを悲しませたりしないよね??
それに、お父さんが悪いように言っているけれど、
そう思っている心がおかしいし、あんたが悪い子なんだよ。
だから、他の人には絶対に言ってはいけない。
おばあたちが路頭に迷うのを見たくないでしょう??
優しい子だったら我慢して頂戴」
『そうか…
心がわるいこだからこんな風に思ってしまうのか…
心が我慢すればいいんだ!!!!
誰にも頼らない!!!!
他の人に気づかれないようにしなきゃいけない!!!!』
子供ながらに
そんな風に解釈をし
その後、両親の離婚まで
父との関係は続き、
自分の気持ちを押し殺し
この頃から
ペルソナの仮面をつけたまま
生きるようになった。
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