2017年4月、
二番目の夫武と何度も話し合った結果、
離婚が成立した。
若い時に
キャバクラ、
ライブチャット、
ソープ、
ヘルス、
デリヘル、
メンズエステと様座な場所で働き、
沢山の出会いや経験をしてきた。
体調の不安定さや身内の介護や死、
再婚して風俗を無理やり辞めさせられたが
どうしてもお金が必要だった。
いろんなお店で働いては武に見つかり、
一定の場所にとどまることは無かった。
警察には三度捕まって
この仕事は二度とやらないつもりでいたが、
離婚して体調を崩しやすくなっている状態。
昼の仕事だけでは、
借金も返せないどころか
子供達には母子家庭だからといって
不自由させたくなかった。
そして、
武との離婚が決まり、
新居に引っ越しをするための
日常的不可欠な電化製品などを
買いそろえるとさらに借金は増え、
仕事したくても体調のことを考えると
普通の仕事では返済することもままならない。
そこで、
体調が少し良くなることで、
久しぶりに風俗業に戻ってみたもの。
風俗業界も大分変りはてていたことにビックリした。
私達三十代の女子達は、
稼げなくなって、
10年以上前のナンバー1や2の人達がお茶(ゼロ本)で変えることが多くなっていた。
当時の女の子たちはプライドが捨てきれずに、
店のスタッフさんなどに八つ当たりをしたり
新規で入ってくる女の子も
「どうせ、稼げないでしょ?年も年だし」
とあしらわれ、
対応の仕方も雑に扱われ居心地が悪く
長い間その場所にいることができない。
癒しを求めているはずの空間に、
負のスパイラルにかられ、
お互いの怒りのエネルギーが充満し、
かなり息苦しい。
それでも、
一人一人のお客さん達との時間を
大切にして接客を続けた。
若い頃は、
自分やお金の事だけを考えていた。
時が経つにつれ、考え方が変わっていった。
待機時間中は、
パソコンに向かい頭をフル回転させながら
文章にする作業の繰り返し。
これまでと違うのは、
お客様を大事にすることは
前々からやっていたけれど、
自分も労りながら
『よく頑張ったね。お疲れ様。大好きだよ』
と自分の身体と会話をするようになったこと。
そうするようになってからというのも、
日常的に
「心とは話をしていると癒される」
などと言われるようになっていった。
若い頃の私を知っている人から見れば
「心が癒し系・・・いやいや。それはない。
どう見ても近寄りがたいイメージ
しかないんだけど」
と突っ込まれる。
当時の私は棘の鎧をまとっていたけれど、
年を重ね波に呑まれるにつれ、
丸くなっていったのだろう。
男性も女性も同じように
苦しんで心の隙間を埋めるかのように癒しを求めて
生きているんだと分かるようになってからの
接客の仕方が変わっていった。
“一期一会”のように毎日が特別な日で、
一人一人を大事に接するようになると、
男性の毛嫌い溝が薄まり、
他の人や自分に対して優しくなり、
争い、
依存、
妬み
嫉妬を避けるようになって、
自分自身もしなくなっていた。
私自身。
私の存在自体が嫌いだったことに気づき、
許し、
受け入れ、
愛するようになった頃。
ガラリと変わっていく私がいた。
多分この場所に来なかったら
一生気づくことなど無かったのかもしれない。
様々な場所での出会った
お客様たちや女の子達や店のメンバーさんにどれだけ
心救われて支えになってくれたの
わからないくらい感謝している。
こう言ったら
偏見を持たれてしまうもかもしれないけれど、
私は今でも風俗業は最高の癒しの接客業だと思う。
そのお陰で、
人とのコミュニケーションの能力やスキルはあがった。
いろんな経験をしたお陰で武器になった。
風俗の仕事をしている子達の多くも、
それぞれの悩みを抱え必死で生きていて、
愛おしく、共感することが多々あった。
何処に居ても私自身が異質で馴染めずいたけれど、
唯一本音が言える、安らげる場所が風俗業だった。
若い時は、
本気でこの職業だと思い込んでいた時期もあったが、今ではいい思い出になった。
嫌な出来事や良い出来事も
全てに意味があって意味が無いもの。
今の自分に相応した人と出会うべくして
ベストなタイミングで出会い。
コインの裏と表があるように、
光があるからこそ闇がある。
プラスやマイナスなど無いと
気づいた時にガラリと今までの考え方が崩れ去った。
そして、
周りや自分の感情に振り回されることも
少なくなっていった。
この自伝を出版しようと思ったのは、
私の懺悔の為であるが、
風俗業は決して悪いものでないことを
多くの人に知って欲しかった。
私も含めて、
お金に困って風俗で働くしかできなかった子達。
母子家庭で一生懸命に働いている人。
自分の居場所を探し求めて行くあてが見つからなくて必死で自分探しをしている子。
それぞれの思いを抱えて生きている女の子達がいる。
一方男性側でも安らぐことが出来ず、
発散する場所を探していたり。
仕事で疲れ切った身体を癒すために来たりと気分転換やリフレッシュをして
『また明日から頑張るぞ!』
となって活力になり、仕事が捗ると思うのです。
それがなかったら、
たちまち性犯罪は増えて
私のようにレイプされる子もふえてしまうだろうし、
借金を苦にして自ら死を選ぶ人もいるかもしれない。
この世の善と悪は紙一重であって、
光があるから闇もあるように必然なことだと思うのです。
何が悪くて、何が良いのか。
そういったものは意味があって意味がないもの。
ネガティブやポジティブがあわさることで
真実の心の平穏が感じられる。
それを知る為には自分自身と向き合う必要があるけれど、
どんどんいろんなものを手放していくことで
身軽になっていく、
私自身、若い頃よりも
大分生きやすくなってきました。
この世に生まれた一人一人は、
原石の宝石のような宝物。
奇跡で尊い存在でいろんな経験をし、
感動し、
愛を学ぶためにこの世に存在している。
自分にしかできないものが見つかることで
自信に繋がるし、
もっと自分を好きになれる。
そうすることで、
自分自身や愛する人を大切にすることが
出来ると思うのです。
世界中の人々
一人一人が
心穏やかに
生きることができますように
心より
無条件の愛と感謝と敬意を込めて
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